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門流雑想―日興上人御影像について―

日興御影
今回紹介の画像は、福島県松尾山一円寺の本堂隣の間に安置される御影像で、中央の御尊体は、住職のご教示では日興上人の御影像であるとの事であった。(私はてっきり日尊上人の御影像かと思っていた。)
向かって左は、僧形八幡であり、向かって右が天照大神像である。
この諸尊勧請は、渡利佛眼寺の番神堂と同じである。
もしかしたら、かつては同寺に番神堂のようなものがあり、そこに安置されていたものかも知れない。
尊門では番神堂の中尊に、日興上人の御影を安置する化儀があるのであろうか。
尊門では日興上人の御本尊を重んじるところがあり、現在の本山要法寺も、本堂には日興上人の御本尊が安置されている。
派祖を重んじるということであろうか。それとも門祖日尊上人は、宗祖日蓮大聖人とは会うことなく、直接の師が日興上人であるためであろうか。

それにしても、同じ福島県内の尊門寺院の、佛眼寺と一円寺とでは日興上人の御影が、似ても似つかない御尊顔であった。
初めて見る場合は、寺院側からの説明がないと正直わからない。

一昨年の東京古典会のオークションでは、三鳥院日秀の曼荼羅本尊が出展されていたが、そこには「日興日目日尊上人」と書かれていたと記憶する。
三鳥院日秀の教学思想等は、詳しくは伝わっていないが、江戸時代の仏教批判の書である、「出定笑語付録」(平田篤胤著)に、三鳥院日秀の門弟・生田五郎兵衛(日使)を批判して、以下の記述がある。

―享保四年江戸ニ於テ日蓮宗ノ悪僧ドモ三超(ママ)派ト云テカノ邪法ヲ弘メル是モ同ク不受不施ノ流デソノ本尊ハ俗体ニシテ今様ノ上下ヲ著セシメテ是ハ生田五郎兵衛ト云テ邪術ヲ行ッテ磔ノ御仕置ニ成タル者ヂャト云事デアル。左ニ日蓮ガ像ヲオキ、右ニ得モ知レヌ異像ヲ置テ密ニ之ヲ尊敬シ僧ハヤハリ鼠色ノ衣ヲ著テ深ク庵ニ隠リ其徒ヲ招イテ邪義ヲ勧メル所ガ切支丹ノヤウデ有ッタト云事デアル―

三鳥院日秀は大石寺の日精上人の弟子であったが、異流儀を唱えたことから破門になったと聞く。
「鼠色ノ衣」とは、薄墨の衣のことと思われ、三鳥派が富士門の化儀を世襲していたと考えられる。
そうすると、「左ニ日蓮ガ像ヲオキ、右ニ得モ知レヌ異像ヲ置テ」とある、「得モ知レヌ異像」とは、日興上人の御影像であったのではないかと考えられる。
石山の客殿なども、同様の勧請形式をとっていることは広く知られており、旧尊門の東京妙縁寺も「妙教41号」掲載の写真によれば、同様の勧請形式のようである。
また絵像と木像の違いこそあれ、同様の勧請形式は、富士門寺院には多数確認される。

仮にも富士門徒を名乗るものであっても、日興上人の御影は判別は難しい。他宗・他門からしてみれば、宗祖以外の像は、たしかに「得モ知レヌ異像」と見えるかも知れない。


※当記事公開後、かつて東京古典会オークション出展の日秀筆漫荼羅は、三鳥院日秀の御筆ではなく、伊豆實成寺歴代の日秀であることが、直人氏の指摘もあって判明した。
また日興御影は左手に三巻本の撰時抄の一つを持ち、右手は人差し指と中指を合わせて伸ばす印をとるが、渡利佛眼寺番神堂の日興御影は読経像である。寺伝では御義口伝を講義している像と云われる。
これによって、当時、日興御影は判別し辛いと考えていた。
平成24年11月19日 識
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コメント

[C12] No title

讃岐の塔中坊で泉要坊に参詣した際に拝見した、興師御影様は
石山同様の容でした。
開山堂の仙師御影様は、読経型ですね!

要山系の興師御影像は実見したことが無いので、分かりません。
  • 2008-02-25 23:26
  • 大縫 薫
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[C11] No title

大縫さん、失礼しました。
談義所の方に、富久成寺の日興上人の御影画像をご投稿いただいていたのですね。ありがとうございました。
これは読経像ではなく、撰時抄を持っているのですね。
指が「五五百歳」を指しているとは、全く気付きませんでした。
ご教示に重ねて感謝申し上げます。ありがとうございました。
因みに、渡利佛眼寺の番神堂の日興上人御影像は、寺伝では御義口伝講義の像だそうですね。
  • 2008-02-25 20:11
  • 独学徒
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[C10] No title

大縫さん、ご教示ありがとうございます。
純粋な石山系寺院では、ご教示のような日興上人御影なのでしょうか。
讃岐本門寺の塔中坊などでは、日蓮大聖人の御影像のごとく、読経像の日興上人御影像がありますし、尊門系では、画像も含め、管見では日興上人御影もすべて、読経像であったと記憶しています。
  • 2008-02-25 19:49
  • 独学徒
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[C9] No title

興尊の御影様の場合は、石山では不老不死の不死を顕していると老僧から伺った
事がございます。
特徴は、正面から右手に撰時抄を片手に持ち、左手が指を指してこちらを指しています。
左指で指しているのは、第五五百歳に向けています。
石山と違うのは、袈裟の色が衣と同色なのが旧本門系の御影様になります。
  • 2008-02-25 00:02
  • 大縫 薫
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