現在の閲覧者数:

Entries

祥月命日

合掌 本日は旧日蓮宗興門派八箇本山の一つ、伊豆国柳瀬の名刹、東光山實成寺四十四世・曽根顕恒院日包上人の祥月命日である。

通称で伊豆實成寺と呼ばれるが、明治時代後期日蓮宗興門派は本門宗と改称し、昭和十六年三派合同により旧日蓮宗は解体、旧日蓮宗と顕本法華宗、そして本門宗は新たな日蓮宗を結成した。

旧本門宗時代、既に日蓮宗富士派として独立していた大石寺一門を除いた本門宗七本山が日蓮宗となり、興統法縁会を結成している。

戦後、富士妙蓮寺や京都要法寺が日蓮宗を離脱し、創価学会からの働きかけによって安房妙本寺や西山本門寺も日蓮宗を離脱した。これによって、各本山の旧末寺でも日蓮宗に残留する寺院と本山と歩を一つにするものとバラバラになっていった。

この富士門流混乱期の中にあっても、本山と末寺の関係が微動だにしなかったのが、唯一伊豆實成寺とその末寺であった。
もちろん他山と比べ末寺が少ないということもあろう。また本山と末寺が比較的近くにあることも要因の一つと思われる。

平成十六年夏、私は伊豆實成寺を訪れ、初めて曽根猊下と出会った。
その年の暮れには御本尊を書写いただいた。
日蓮宗本山会事務局長や興統法縁会副会長などの要職も兼務されるなか、檀家ではない私と時には目通り戴き、時には電話や書面で交流をして下さった。

平成二十年、研究者の彰往考来氏の依頼もあって、ご霊宝お風入れに参詣するも雨天により中止。
事前の天気予報でも雨天の可能性が指摘されていたので、無理をお願いし雨天の場合でも笈の御影を御開扉いただくことになっていた。
当日、御開扉された笈の御影を前に、曽根猊下と私と彰往考来氏は読経・唱題を共にし、曽根猊下は須弥壇に階子をかけ私と彰往考来氏を呼び、宮殿の目の前で笈の御影を拝見させてくださった。
曽根猊下は背負って諸国をまわるには少し大きすぎるとの見解を示されつつ、胎内にもっと小さな御影が内蔵されている可能性はあるとのご教示をなされた。
また、当日は御宝蔵は開けなかったものの、立正大学中尾名誉教授が研究対象とされるとのことで、来訪に備えて金庫内に保管していた註画讃を持ち出され、檀家さんたちが談笑する中、私と彰往考来氏をアイコンタクトで御影堂に呼ばれ、拝観させてくださった。その時できる最大のことをして、わたくし共を応援して下さった。

今、思えばあの時既に呼吸が荒かったようにも感じられる。
約二ヶ月後の同年秋に急逝されたのである。
ご遷化の知らせを耳にした時のショックは今も忘れられない。

今日という日は、私にとって忘れることのできない年に一度の日なのである。





スポンサーサイト

コメント

[C2579]

彰往考来さん、

ご高覧並びにコメントをありがとうございます。

本当に大変なご病気を克服なされましたね。
日蓮宗教学研究発表大会では、某大寺院の関係者が食ってかかっていたのを思い出します。
後出しジャンケンのように、実物を拝観させることを渋る人たちが、「実物を見たのか」の一点張りで何ら反論らしきものが無かった事は、僧侶が護りたいのは所蔵している宝物の権威だけなのかと感じました。

継続した研究活動に敬意を表します。

  • 2016-11-04 19:19
  • 管理者
  • URL
  • 編集

[C2578]

蒼い海さん、

ご高覧並びにコメントをありがとうございます。

私は文字表現にも現れてしまう通り、決して人徳の高い人間ではございませんが、過分なお言葉恐れ入ります。

過去にも記したかもしれませんが、私の住む地域には、創価班本山担当の時代に、任務に着いていた創価班の子息が危篤状態との連絡が入るものの、任務を続け看取れなかった方が2人います。
こうした事は決して「広宣流布の為」などという美談にしてはならないと思いますが、創価班という青年部にはそのような過酷な試練を押し付け、壮年の偽典部はご指摘の体たらく、本当に蒼い海さんのご回向だけがご供養になられたと思います。

不定期更新の拙い日記ですが、ご支援のお言葉ありがとうございます。

  • 2016-11-04 19:10
  • 管理者
  • URL
  • 編集

[C2577]

あれからもう8年ですか。
私は重篤な病気で入院し、幸いにも退院したばかりのころでした。現在はお陰様で完治しました。
せっかく拾った命を大切にして、精進したいと思います。
8年前に曽根上人にお会いしたのは横山大観の「日蓮」図と伊豆実成寺様の笈の御影の関係を調査していた一環でした。その折は管理人様には色々お骨折りをいただき改めて御礼申し上げます。
横山大観の「日蓮」図と伊豆実成寺様の笈の御影の関係をまとめて世に出すべきだと改めて実感しました。再度挑戦してみようと決意しました。

合掌。

彰往考来
  • 2016-11-04 08:52
  • 彰往考来
  • URL
  • 編集

[C2576]

すばらしい上人様との出会い、その所作のひとつひとつが文章から伝わってまいります。人の徳というものは、出会った方々から学ぶことが多くあります。私もこのブログから学びたいと思います。管理者様のご人徳があればこそ、こうした出会いができるものと感じます。今日、私の親の三回忌が学会の会館でありました。兄弟が企画したのですが、当日のその時間になって、幹部導師が家の都合だとかで、急にキャンセルし、兄弟夫婦が僧侶のマネをして法要らしきことを行いました。しかもお金にケチな兄弟は、親の兄弟を呼ばず、予算もしぼりました。私は悲しくて仕方ありませんでした。だから、心の深いところでしっかり供養させていただきました。管理者様のブログを読み、亡き親との少ないながらの思い出を心に刻みました。この世に生をさずけてくださったことに感謝です。また、管理者様のすばらしい、そして暖かい出会いをご紹介いただけたら幸いです。
  • 2016-11-03 20:12
  • 蒼い海
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

冨士教学研究会 管理者

Author:冨士教学研究会 管理者
ブログ「冨士教学研究会 管理者のオワコン日記」へようこそ!
日蓮正宗・創価学会等の富士門流関連寺院・諸団体に関する議論は、池田大作氏の影響力低下と、諸賢の研究・考察・発表等によって、概ね結論はみえてきました。
それと同時に、冨士教学研究会の役割もほぼ終わりかけていると思います。
今後は、政治・宗教・社会等の問題を気ままに記してまいります。
更新頻度は特に定めません。皆さんも時間のあるときにのぞいてみてください。

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索