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再び阿娑縛抄について

彰往考来氏が再び資料をご送付下さった。
氏の間断なき研鑽と資料収集には敬服する。
また惜しみなく資料提供下さり感謝にたえない。

彰往考来氏は阿娑縛抄の日蓮閲覧の可能性は無しとは言い切れない立場である。
阿娑縛抄は台密系寺院に伝承されている、密教秘伝を写し写本集のような形態でまとめられたものである。
現在伝わる阿娑縛抄は、江戸期にかけて加筆されたものであろうか。どうも阿娑縛抄自体が鎌倉期に完成しているものとは思えない密教修法があるように思える。

しかしそこには愛染法や虚空蔵菩薩求聞持法の次第ものる。
内容は台密独特の内容ではなく、東密からの移入修法を写したものと思われる。

やはり私は阿娑縛抄を日蓮が目にしたというよりは、日蓮は東密の僧として密教を学んだと考えるのが自然だと思われる。

日蓮党内部にいると、日蓮を台密僧としての出家得度という先入観に支配されやすい。
日蓮真蹟は残らないが、上代としては等覚院日全の法華問答正義抄に引用を見る「戒体即身成仏義」は、日蓮遊学の卒論ともいわれるもので、空海の「即身成仏義」を日蓮なりに注釈したものである。結論は真言の戒が最も優れるとしたもので、これを素直に捉えれば日蓮は東密の僧であると考えるのが普通に思える。

真言の戒が優れているとしたから、台密思想が濃いというのは飛躍していると私は考える。

この点はまた諸賢のご助言を参考に整理していきたい課題の一つである。




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コメント

[C2255]

四明さん、

ご高覧並びにコメントをありがとうございます。

日蓮の禅僧との接点は、今まであまり注目してきませんでした。
是非ともご教示を賜りたく存じます。

現在でも曹洞宗は、祈願を中心に行う密教系寺院がありますが、ほとんどは檀家寺となっていますね。
それでも坐禅会などで地域に門戸を開放しているところもあります。

脱線しましたが、大いに関心の持てる話題のご提供、重ねて御礼申し上げます。
  • 2014-10-11 07:25
  • 管理者
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[C2254]

先入観についていえば、講道館柔道史を見ていても木村政彦氏の評価を見てもいかに強いかがわかります。虚空藏菩薩に日本第一の智者を祈った清澄寺時代から名越尼御前から叡山遊学資金の援助を受け、恐らく杉生流に在籍しながら、八宗兼学をしたのではないか、と。感情的な側面もあわせて考察する必要があろうかと、同期が奥義を相伝されたことが独立のきっかけではないでしょうか。もうひとつ大日能忍の禅家との接触があります。後日続きかきます。
  • 2014-10-10 23:54
  • 四明
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[C2251]

行者忍辱さん、

ご高覧並びにコメントをありがとうございます。

またご尊像のお写真ありがとうございます。
拝見したところ、江戸時代のものと思われます。
近現代の造像ではないと思いました。

空海、慈覚等の台東両密の代表者及び密教批判は、日蓮当時の密教僧の堕落にあったのではないかと思っております。
日蓮とその門弟は、密教僧の堕落に法華一乗をもって独立していったと思えてなりません。

引き続きご教示の程、お願い申し上げます。

  • 2014-10-04 20:35
  • 管理者
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[C2250]

先日、法務に行ってまいりました、千葉県野田市の霊園の、僧侶控え室の中に、見事な彫刻の弘法大師空海阿闍梨の、座像が、不動明王立像とともに、飾ってありました。おそらく、霊園のオーナーの真言宗寺院の所蔵と思われます。撮影させていただきましたので、後日、管理者様に、写メールを、送ります。しかしながら、管理者様の、日蓮聖人が東密を極めたのではと言う仮説を、空海像を拝観して思いました。
  • 2014-10-04 20:02
  • 行者忍辱
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[C2249]

阿呆陀羅經さん、

ご高覧並びにご教授ありがとうございます。

覚鑁の著述を書写したのも八宗兼学の一環かもしれませんね。
  • 2014-10-04 17:10
  • 管理者
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[C2248]

台密の法流に籍を置きながらの東密修学は、東密の覚鑁による台密修学の例からも、さしたる困難は存しなかったものと思われます。

“八宗兼学”という当時の一般的潮流に、日蓮もまた順応したということでしょう。
  • 2014-10-04 13:10
  • 阿呆陀羅經
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