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阿娑縛抄について

彰往考来氏より種々資料をご送付戴いた。
氏の研究姿勢には改めて頭が下がる思いである。

以前、日蓮は東密にて得度、所謂「立教開宗」は東密から台密への改宗ではないかとの仮説を提示した。
その一つの根拠として、台密には愛染に関する修法が管見では知られないことを上げていた。

しかし今回、彰往考来氏が紹介下さった「佛教文学」に掲載された論考『軍神としての愛染明王に関する一考察』(奥田静代)には、その序において「愛染明王が平安時代に皇族や貴族に信仰され始めたのは東密系の僧侶が愛染明王を敬愛・息災に験の篤い尊格であると喧伝したからである。」とした「東密系」の注に、「・・・天台密教における密教図像学問と修法を集大成した『阿娑縛抄』・・・台密においても愛染王法習い学ばれており、この法を知らないわけではなかったということが窺われる。」とある。

しかし日蓮との関連でいえばどうであろうか。
阿娑縛抄が完成したのは1275年(建治元年)のことである。
遊学中の日蓮が編纂途中の阿娑縛抄を閲覧し、秘伝を授かったとはどうも考えづらい。

それにしても今回、台密にも愛染に関わる修法があることを知り、それが日蓮の活躍した年代に成立していることは、全く新しい知見を得たと思う。

彰往考来氏には、この場を借りて改めて感謝申し上げる次第である。




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コメント

[C2242]

阿呆陀羅經さん、

ご高覧並びにご教示ありがとうございます。

円珍は空海の血筋でもありますので、愛染修法は東密系によって招来・集成、その後台密にて摂取という過程を想定しています。

台密においては、今も昔も愛染修法は、広くは用いられていなかったと考えております。
それに対して、不動法は今も昔も日本では大いに用いられたのではないかと。

それは日本人の特性にあるという、島田裕巳氏の見解に賛同するところがあります。

  • 2014-09-13 11:26
  • 管理者
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[C2241] 台密系愛染法

台密系の愛染修法の存在を窺わせる遺品では、円珍系台密の本寺であった園城寺(三井寺)に伝わる、平安後期作とされる愛染明王坐像(重要文化財)が現存最古の作例かと思われます。
http://www.shiga-miidera.or.jp/treasure/bi/07.htm
当作造像の頃に園城寺の長吏を務めた覚猷-“鳥羽僧正”として『鳥獣戯画』の作者に擬される人物-は、新義真言の派祖である覚鑁の師僧の一人でもあり、その法統からの日蓮に至る愛染法の相承を想定することも可能かと思います。
  • 2014-09-13 11:08
  • 阿呆陀羅經
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