現在の閲覧者数:

Entries

水前寺成趣園

長女が修学旅行で熊本に行ってきた。
行程に水前寺成趣園の見学があったらしく、その園内にある出水神社にお参りしたそうである。御朱印と縁起をお土産に戴いてきてくれた。

出水神社は明治11年の創建で、歴史は決して古くはない。
しかし初代肥後細川藩主であり初代細川から数えて第三代目の忠利が、茶屋として作事された場所が水前寺成趣園の始まりである。
祭神は主座として細川藤孝、第二代忠興ほか初代肥後細川藩主の第三代及び第八代。
そして後年、配座として第四代から第七代、第九代から第十四代まで、そして室では唯一、第二代忠興の正室であり「本能寺の変」で知られる明智光秀の子女、細川玉が合祀されている。

この歴代室の中でも配座合祀という別格扱いされた細川玉とは、御存じの通り細川ガラシャである。

玉は舅が禅宗で入道したことから、もとは禅宗の信仰をしていたようである。
しかし忠興が高山右近から聞いたカトリックの話を聞き、内心キリスト教への関心が高まっていたと云われる。
そして忠興九州出陣のおり、ついにその思いは行動となった。身を隠しながら教会へと足を運んだのである。
ウィキペディアによれば、その時教会ではコスメ修道士が説教を行っており、玉はいろいろな質問をした結果、その場で洗礼をうけることを希望したと云われる。
しかし玉の立場を知っていたコスメ修道士からは、その場で洗礼をうける事は出来なかった。

その後、玉は洗礼をうけないまま侍女達を通じ書簡で教会とやり取りし、その書簡をもとに内心での信仰に励んだという。そして次々に侍女に洗礼をうけさせ、秀吉バテレン追放令のころ大坂に滞在していたイエズス会士、グレゴリオ・デ・セスペデス神父の計らいで自邸でマリアから密かに洗礼を受け、ついにキリスト教徒となるのである。その時の洗礼名がガラシャ(「恵」を意味するという)であった。

明智光秀を父に持つガラシャは、「本能寺の変」以後幽閉生活を繰り返し、戦乱の中にあったガラシャの最後は江戸時代開幕前夜の自ら望んだ壮絶な孤独死であった。
史実かは検証できないが、ガラシャが詠んだ辞世の歌は「散りぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ」との事である。
有名な言葉で、最近では子息が窃盗容疑をかけられているみのもんた氏が、記者会見で口にした言葉でもある。

ガラシャの遺骨は神父によって集められ、切支丹墓地に葬ったとされる。
ガラシャの死を悲しんだ忠興は、その葬送を教会に依頼し自らも参列したという。
後年ガラシャの遺骨は崇禅寺に改葬したと云われ、キリスト教徒として最後を迎えたガラシャは、死後、日本仏教、神道からも受入れられ、ガラシャを伝える寺院・神社は数箇寺社存在する。

今回長女が立ち寄った出水神社もその一つだろう。
神無月といわれる10月、日本の神々は出雲に集まり、社殿には形ばかりの御神体があると思われていたこの月初め、神社から歴史を考える一時となった。



スポンサーサイト

コメント

[C1892]

愛国沙門さん、

御高覧並びにコメントをありがとうございます。

信仰の異なりを超え、日本仏教及び神道にまで受け入れられたガラシャは、やはり偉大だと思います。

私は歴史が苦手で勉強不足な面が多々有りますが、皆様のおかげをもちまして見聞が広がる思いです。

  • 2013-10-07 23:10
  • 管理者
  • URL
  • 編集

[C1891]

細川ガラシャ夫人は、関ヶ原前夜の悲話の一つとして有名な、石田三成が、徳川家康の圧倒的な軍事力に対して、京大坂在住の大名の夫人を、人質に取る前略の初めに狙われた方ですね。明智光秀譲りの才色兼備の夫人は、三成の軍門に下ることを強く拒み、いわゆる自決を選ぶも、キリシタンの為、側近の家臣に介錯をさせますね。読みの甘かった三成の前に、戦国の妻の貞操の潔さを見せつけ、関ヶ原への三成の出鼻を挫きます。戦国有数の美女の壮絶な最期は、国史に永遠に語り継がれます。この豊臣から徳川に天下が移る時代、美談とも言うべき壮絶な話しが、双方に伝わります。伏見城を三成の攻撃から死守した徳川の忠臣鳥居元忠の最期、大坂城を知謀知略を尽くし、徳川方の大軍を攪乱し、豊臣秀頼への忠義を貫いた真田幸村の壮絶な最期、関ヶ原で思い病気の身を押して、盟友石田三成を支援するべく死に花を咲かせた大谷刑部など、とにかく現代人と全く違う死生観に生きた、あの方々はすごいですね。
  • 2013-10-07 22:32
  • 愛国沙門
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

冨士教学研究会 管理者

Author:冨士教学研究会 管理者
「冨士教学研究会 管理者のblog」へようこそ!
宗教(特に富士門流関連)、政治、経済、社会の課題について、自分なりに感想を述べていく場とします。必要に応じ立証形式になる場合もあるかと思いますが、基本は「感想」を述べる場です。ご理解のほどお願い申し上げます。
但し、感想といえども他者や団体等に対するヘイトととらえられる場合、人権・名誉等を著しく侵害し、法令に反すると思われた方は右下の「管理者への連絡」からお知らせください。記事の削除等、必要な処置をとらせていただきます。

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索