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金沢文庫『よみがえる鎌倉の学問』

神奈川県立金沢文庫にて、「称名寺聖教」重要文化財指定記念『よみがえる鎌倉の学問』が開催されている。
期間は2月12日までである。展示品の中には、日蓮聖人が17歳の時に筆写した「授決円多羅義集唐決」もある。
ガラス越しではあるが、久々に日蓮聖人真蹟を眼にする。

今回の展示とは直接関係無いが、金沢文庫には、日蓮聖人に関連する記述と思われる文書がいくつかある。有名な「理性院血脈」や、鎌倉時代の天台宗の学僧である心慶の筆跡による「宗要集雑帖私見聞」などである。
心慶筆「宗要集雑帖私見聞」は、現在のところ全文の影印や翻刻は出ていない。しかし幸なことに、日蓮聖人に関する記述の部分は、金沢文庫発行『蒙古襲来と鎌倉仏教』に写真が公開されており、翻刻文は『金沢文庫研究197号』に掲載されている。
以下に紹介するのが、心慶筆「宗要集雑帖私見聞」の中に出てくる、日蓮聖人に関する記述である。

宗要集


― 師云日蓮ハ作テ報恩集ト云少(ママ)文ヲ宣法花宗ノ義ヲ破念佛等ノ法ヲ也。其ノ中ニ又傳教大師ノ御義同ト我カ義ニ云テ其ノ旨ヲ書クト云々。所謂近江ノ國ニ最澄ト云人アリサイワイニ与ト我カ宗同スト云々 取意也
西明寺殿ノ時河-嶋(さき)ノ竹円坊ト云者ノ有之、与ト日蓮召合メ令問答、日蓮ツマリケリト云々。【以下省略】―

この文書は「文保元年(1317年)九月四日始之」の識語を持つ。日蓮聖人滅後、そう下らない時期の文書である。
この文書の記述が正確であるかは、現在のところわかっていない。しかし当時の関東天台の学僧の間で日蓮聖人の名が知られており、「報恩集」(「報恩抄」の事)の内容までが知られていたことは注目に値する。
問題は、「西明寺殿ノ時河-嶋(さき)ノ竹円坊ト云者ノ有之、与ト日蓮召合メ令問答、日蓮ツマリケリト云々。」とあるところだ。
西明寺殿(北条時頼公)の時世に、日蓮聖人が河崎の竹円坊という天台の学匠と問答し「ツマリケリ」、ようするに竹円坊の問いに対して答えに窮したというのである。
日蓮門下にとっては、ことさらショッキングな文書ではないだろうか。

先にも記したとおり、この内容が正確であるという事は今のところ立証されていない。しかし、金沢文庫にはまだまだ整理されれていない文書が沢山あり、その所蔵文書の研究には、宗派を超えて大きな可能性があるといえる。



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