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経典と仏画

地蔵川崎大師
画像は過日展覧会に行った「受け継がれた文化財『川崎大師の寺宝と信仰』」の図録に載る、川崎大師所蔵の「絹本着色地蔵菩薩二童子図」で鎌倉末期の作と云われ市の指定重要歴史記念物であり文化財指定されている。

地蔵菩薩の脇侍として描かれる二童子は「掌善」と「掌悪」である。
この二童子が描かれるという事は、日本で成立したと云われる「仏説延命地蔵菩薩經」に基いて描かれたものであろう。

「時に二の童子あり、左右に、侍立す、一を掌善と名け、左にありて白色白蓮華を持し、法性を調御す、一を掌悪と名け、右にありて赤色金剛杵を持し、無明を降伏す」(とげぬき地蔵尊 高岩寺版『仏説延命地蔵菩薩經』)

この仏画が鎌倉末期のものであれば、「仏説延命地蔵菩薩經」も鎌倉末期までには成立していたことになる。
日本における地蔵信仰の広宣流布は、平安期に広まった浄土信仰によって、浄土経典・教説上極楽往生の叶わない人々の救済を目的に信仰心を吸収していった。

今でも外を散歩すれば、至る所に地蔵尊がある。
二十四日が縁日なので、各地に二十四地蔵の札所をつくり十二年に一回の御開帳を実施しているところもある。

ともあれこの作品は確実に「仏説延命地蔵菩薩經」が先、本仏画が後から成立は間違いない。
経典成立から、通信・交通網の整備されていない時代に、急速に広まった地蔵信仰が、当時の多くの人々にどれほど安心・安楽な気持ちを与えたかがうかがい知れる。

今回の展覧会は来年川崎大師で十年毎の大開帳で配布される「赤札」について知っておきたかったことも目的の一つだった。
私はてっきり赤い木札でも配られるのかと思っていたが、どうやら紙札らしい。
しかも弘法大師や不動明王のお札ではなく、六字名号(南無阿弥陀仏)の赤札のようである。
今まで他宗に眼を向けなかった私には、極めて意外な事であった。

同時開催されていた「文化財は語る」では、弘安二年の銘のある題目板碑が展示されていた。
日蓮在世中に題目板碑が造られていたのかと思うと以外である。
しかも弘安二年である。
こちらは図録が出ておらず残念であった。

題目板碑は他にも南北朝期のものが出土され展観されていた。
かつて西明寺のあった有馬近郊の古墳や遺跡からの出土らしい。
近くには興門に縁のある綱島などもある。
鎌倉期から南北朝期にかけて、日蓮党とのつながりがこの地域にあったのだろう。





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コメント

[C1787] Re: タイトルなし

四明様

合掌 何時も御高覧並びにご教授を有り難うございます。

「宗教は相性」は、ある宗教ジャーナリストの大先輩も勉強会で話されていました。

北条事績の整理はするべきでしょうね。
33回忌を目指して取り組んでくれる人がいれば良いのですが、私には今はその時間はありません。

矢島・北条のトレードもそうですが、宗創紛争を掘り下げるうえで必ず価値のある研究になると思います。

古い大白蓮華や聖教・公明の縮刷、正本堂時代前後の幹部用テキスト、第一次問題の流出資料などは本棚に多数ありますが、マスクをしなければ開けない状態ですね。

信頼できる北条事績年表が33回忌に御供えできれば、故人の供養にもなるでしょう。 再拝


  • 2013-06-08 18:12
  • 冨士教学研究会
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[C1786]

ある学者か評論家が以前雑誌でコメントしていましたが宗教は結婚に似ていて相性が合うか合わないかのようです。北条氏にとっては旧態依然の法華講より学会に新天地を求めたのでしょう。矢島氏は戸田氏の路線についていけなくなったので薄墨五条白袈裟を着したのでしょう。当事者にとって「最高の離婚」だったのでしょう。北条氏は海軍兵学校卒の文武両道、力と知略に長けた逸材で理事長として、宗創関係の渉外にその力を発揮しましたが、阿部執行部からの日蓮正宗伝統教義への回帰要求と池田氏の革新教学との狭間に苦しみ急逝されたことは残念の極みです。いろいろ理由あって機関紙で北条氏の事績が載ることはないようです。日記の内容と異なる投稿でしたが、あえて書きました。
  • 2013-06-08 16:56
  • 四明
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[C1785]

図録は2300円、カラー写真でよい図録です。

彰往考来
  • 2013-06-06 08:35
  • 彰往考来
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[C1784]

彰往考来さん、

御高覧並びにコメントをありがとうございます。

なかなか良い展覧会のようですね。

資金不足にて今は展観の為に千葉まで行けませんが、図録でも購入しようかと思いました。

  • 2013-06-03 22:52
  • 管理者
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[C1783]

5月31日に千葉市美術館で開催している「仏像半島―房総の美しき仏たち―」(会期 2013年4月16日(火)~ 6月16日(日))を拝観しました。
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2013/0416/0416.html

個人的には日蓮聖人が幼少のころいたという伝説のある西連寺の薬師如来像、弘法寺の四天王立像、多古妙光寺の日蓮聖人像(髭のお祖師様)などが興味深かったです。

彰往考来
  • 2013-06-03 14:55
  • 彰往考来
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[C1781]

愛国沙門さん、

御高覧並びにコメントをありがとうございます。

日蓮直宗さんとは、全く面識はありませんが、安房妙本寺系の異質集団は、創価学会や妙観講、顕正会と変わらないので、恐らくこれからも関わりを持つことは無いと思います。

不動明王は三十六童子の内二童子が脇侍となるケースが多いですね。確かに赤と白の童子である場合が多く、不動經も日本成立ですから、紅白を好む日本文化との関係でしょうか。

  • 2013-06-02 21:18
  • 管理者
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[C1780]

地蔵菩薩二童子像、初めて見ましたが、不動明王の二童子に、そっくりな姿ですね。掌善、掌悪の意味合いは、霊断師会で拠り所とする、同名、同生の所謂、倶生霊神を思わせますね。ところで題目板碑、かつて私が山務員で居た、練馬区西大泉の某寺に複数体在ります。事情が有って、寺院名は、お教え出来ませんが、「練馬区の文化財」で検索いただければ見つかるかと思います。それから日蓮直宗さんのホームページが、何者かによってメチャクチャにされたそうです。日蓮直宗さんとは、創価学会を辞め、保田の信者を経て、独自の活動をされている方です。
  • 2013-06-02 18:36
  • 愛国沙門
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